ドリフとユニセフのコラボ

 BSフジで再放送しているドリフターズの「ドリフ大爆笑」を何度か見た。
 懐かしいのと、この手の番組を今の時代に見るとどういう感じなのだろうという興味本位に突き動かされて。
 本放送があった1970年代後半は、わたしは小学生だった。うちの親父は子供にテレビをあまり見せたがらなかったから(自身がチャンネルを独り占めしたかったので)、毎回は見ていないけど、確かにこんな雰囲気の番組であったよなあというのは朧気に記憶に残っている。「もしも」のコーナーで、やけに葬式が舞台になってたりね。

 何といっても、興味を惹くのは、昭和テイストの価値観が丸出しなところ。女性や弱者への偏見がとにかくキツく、こういうものがゴールデン枠に放送されていたんだなあと、つい感慨深くなる。
 コントの落ちで、女性に扮した志村けんによる「あたし、実はホモなのよー」で笑わせようとするなど、時代がかった香ばしさなのだ。
 その一方で、加藤茶が歌舞伎役者のパロディで大見得切ったり、「ハムレット」とか「忠臣蔵」や「白鳥の湖」といったカルチャーをベースにしたコントもある。「清水次郎長」とかね。ああ、この時代は、まだこういった、お教養的なもんがお茶の間でもお共有されていたのざますわね、としみじみ思ったりもする。

 ただ、もっとも驚愕したのは、これだった。
 あるコントで、いつものようにケーキを顔にぶつけたりして、当時もPTA方面から敵視されていた、食べ物を粗末にする場面のあと、だしぬけにCMに入ったのだが、このCMが、なんとユニセフ。「アフリカの栄養不足の子供たちに救いの手を」なんてメッセージCMだったので、直前に放送していたコントとのギャップが激しいというか、いきなり冷水を浴びせかけられたような、恐ろしく神妙な気分になったのであったよ。

そんなヒンヤリとした気分に合わせるべく、発売されたばかりのアレクサンドル・タローが弾いたベートーヴェンの後期ソナタ集を聴いている。笑っちゃうほどクールなんざますわよ。フーガ的な処理は、まるでバッハを聴いているかのよう。